Sunday, August 25, 2013

【Race Report】Waldo 100Kレースレポート(前編・出発〜レース前日まで)

                     

 いよいよその日がやってきました。日本がお盆休み中にも関わらずWaldo 100Kのために出発直前まで仕事をこなし、それでも終わらずに宿題も持ち込んでオレゴンの旅に出発。

 オレゴン州ポートランド国際空港(PDX)にはワシントンDCダレス国際空港(IAD)から直行便で約6時間。夜7時発の予定が飛行機がまだダレス空港に到着していないということで1時間以上遅れるという幸先の良い?出だし。ポートランドに到着したのはオレゴン時間で23時過ぎ。3時間の時差があるDC時間だと夜中の2時・・・。眠たい目を擦りながら予約していたレンタカーをピックアップし、空港近くのホテルにチェックイン。疲れていたけどロビーで販売していたカップラーメンがあまりに美味しそうに見えたので値段も確認せず勢いで購入し部屋で一気食い。美味しかったっす。そんなこんなで移動続きの初日は終了。ぐっすり眠れました。

   (宇和島屋スーパーマーケット。中には紀伊國屋書店も入っています。)

 2日目、ポートランドから車で3時間かけてレース会場であるWillamette Pass Ski Areaに向かう。途中で日本食が調達できる日系スーパーマーケットUwajimayaに寄ってどら焼きやらカップラーメン(豚骨)、おにぎり、栄養ドリンクなどを調達。こうやって日本食やお菓子が現地でも買えるのはありがたいです。ついでにスーパーに併設されている日本食レストランで豚しょうが焼き定食を食べて腹ごしらえ。DCでもこんなに日本食関係充実してないですよ。いいなあポートランド。昼食後、ノンストップドライブで南下。ユージーンを超えたあたりから風景が一気に大自然に。どんどん標高も高くなっていき、ポテトチップスの袋がパンパンになったり、耳の調子も変な感じになってきたりして、いよいよ来たか!という感じ。

(レース会場近く。)

 山に入ってよく目につくのが「Fire Danger」の標識。最近雨が降っていないのでかなり乾燥しているようで、どこも山火事の危険度が「EXTREME」もしくは「HIGH」に。ちょっと心配だけど、トレイルの状態はある程度乾燥していたほうが私は走りやすいのでいい感じで走れる予感。


 予約していた宿、Willamette Pass Innにチェックインしたのが17時すぎ。普段はスキーリゾートということもあり、周りは驚くほど何もない環境だけど、近隣のロッジやキャンプ場はWaldo 100Kの参加者でどこも満室。Waldo 100Kは単なるレースに留まらず、ローカルビジネスに一時的とは言え結構貢献しているイベントだと感じました。

 (泊まったWillamette Pass Inn。アットホームないい宿でした。)

チェックイン時に受付の夫婦にも、
「あなた、わざわざ100キロ走るために東海岸から来たの?物好きねえ。Waldo 100Kは地元民だけのレースじゃなくなったのね。」としみじみ語られた。このロッジに泊まっている他のお客さんもWaldo 100Kに出る人達ばかりだから朝早から音出しても大丈夫よ〜、とウインクされつつ鍵を受け取る。

(周りのお客さんもみんなWaldo 100Kに出る人たち+家族+クルー。)

夕方6時すぎにロッジを出て事前ミーティングがあるレースのスタート/フィニッシュエリアまで車で移動。約10分で到着。チェックインテントの後ろにかなりの坂が見えますがあえて見ないこと(笑)。


(パープル色のテントがチェックインテント。その後ろには明日スタート直後に駆け上ることになる急坂が・・・。)

ミーティングが19時からだったので、チェックインを済ませてからの空いた時間でメインロッジ内のカフェで提供されていた1人10ドルでパスタ食べ放題の食事を頂くことに。3回目のおかわりでギブアップするも100キロ走る分のカーボローディングは完璧!なのかな?


(チェックイン中。スタート時間を午前3時のアーリースタートに変更しなくていいの?と何度か聞かれる。そんなに遅そうに見えましたか・・・。)

(予想に反して結構美味しかった食べ放題パスタ。)

 ある程度お腹が落ち着いたところでふと周りを見るとみんな速そうなランナーばかり。Tim Olsonさんかと見間違えるような長髪、金髪のイケメンや、Hal Koernerさんのようなベテランいぶし銀さんなど、あまり地元ヴァージニア州のレースでは見かけないような、いかにもトレイル慣れしている歴戦の猛者(のようにしか見えない)ランナーがずらり。まだ事前ミーティングすら始まっていないうちから、ウルトラランナーとは程遠い、観光客にしか見えない自分の場違い感がハンパない状況に。

(トレイルランの猛者達?写真ではわかりませんが皆レベル高そうです。)

19時からの事前ミーティングはロッジ内ではなくスタート/フィニッシュ地点で行われました。8月とはとても思えないほど寒くてダウンジャケット持ってくるんだったと後悔。ミーティングではレースディレクターのCraig Thornleyさんからレースでの注意事項などが説明された。Craigさんは今年でレースディレクターから退くということで、後任のMeghan Arbogastさんの紹介もありました。このミーティング中にも周りのランナーは顔見知りランナーばかりのようで頻繁に握手、ハグが繰り返されており、ここでも場違い感が・・・。

(レースディレクターのCraig Thornleyさんによるレースの説明。)

(事前ミーティングに集まる参加者たち。)

 ミーティングでは、ドロップバックを預けるのが今日の夜9時までだとアナウンスが。当たり前のように手ぶらで来てしまったため、かなり焦りました。そんな大事なことちゃんと事前に言っといてよ!と思ったのですが、事前にCraigさんから送られていたメールにちゃんと書いてました・・・。すいません・・・。

(ドロップバックをおけるエイドステーションは4箇所あり、それぞれの分けて置いておく。)

ミーティングが終わったのが20時。後1時間しかねえ!ということで、ミーティング後車を飛ばしてロッジに戻り、急いでドロップバックをまとめ、また車を飛ばして戻ってきました。何とか締切りの10分前に預けることができ一安心。焦りました。

 今回ドロップバックを預けたのは、A2のFuji Mountain(最初の山登りの場所で、登る前と降りた後のエイドステーションが同じ場所)とA5のCharlton Lake(32マイル地点。最初のカットオフが行われるエイド)。A2のほうにはヘッドランプや薄手のジャケット、手袋など明け方のみに使用する装備を預けることが目的だったので、レッドブル1缶とどら焼きや電解質タブレットを少し入れた程度。ただ、ヘッドランプなどの夜用装備はA1のGold Lakeでボランティアの人たちがしっかり回収してくれました。これが分かっていればA2のドロップバックは必要なかったかも。A5に預けるメインのドロップバックはVictory SportdesignBearⅡを使用しました。

(このBearⅡは他のドロップバックよりも目立ったため、エイドステーションに入ってすぐにボランティアの方が持ってきてくれました。機能性も高くお気に入りです。)

 BearⅡドロップバックの中味は以下の通りです。

  • アミノバイタルPro(レース前、途中でのアミノ酸摂取のため)
  • ハニースティンガーエナジージェル(色々ジェル試したのですが自分にはこれが合っているようです)
  • 絆創膏(言わずもがなも靴ずれなどの応急処置用)
  • 爪楊枝(補給食を取った際に歯に詰まったのを取るため。A型なので気になると集中できなくなるので・・・)
  • Aleve(鎮痛剤。レース前から痛めていた腰痛対策用。ロキソニンよりも効きます。)
  • 着替え用のシャツ、バイザー、靴下(念のため持って行ったのですが結局着替えませんでした。)
  • レッドブル(2つのドロップバックのどちらにも入れました。効き目があったかは正直わかりませんので気分の問題です。)
  • 日系スーパーで購入した栄養ドリンク(ハチミツを主体としたオーガニック栄養ドリンク。これも効いたのか今ひとつ実感無し。)
  • どら焼き(お餅やカステラがそんなに好きではないのでそれらの代わりとして。)
  • エレクトロライト(電解質タブレット)Nuun(電解質をレース中に簡単に補給するにはタブレット型がベスト。ボトルに一粒投入するだけで良いので簡単。)
  • S!Caps(電解質、塩熱サプリ。米国のウルトラマラソンでは大抵このS!Capsがエイドステーションに用意されています。そこでも補給できますが念の為に自分でも持って行きました。)

(Bear Ⅱドロップバックの中。細かいポケットが多くあり小さいものでもしっかりと分けて収納できます。)

 アメリカのトレイルレースは大体5〜7マイル毎にエイドステーションがあるので、ドロップバック自体にそこまで気合を入れなくても大丈夫なわけですが、備えあれば憂いなしですので私はいつも多めに物を入れています。自分で運ぶわけではないですしね。

 そんなこんなでいよいよレース前日。オレゴンに着いてからはドタバタしっぱなしで、実感もわかず、レースに向けての心の準備もできていない中、10時前になったのでとりあえずベッドに入る。周りの部屋の人達も寝ているのか時折通るトラックのエンジン音がするくらいでかなり静かな夜でした。目を閉じてもすぐには寝られず、はたして明日、5時のスタートまでにテンションはあがるのだろうか?寝坊しちゃわないか?腰痛はひどくならないか?何度もある山登りで心が折れないか?山登りもそうだけど、そもそもちゃんと100キロ完走できるのか?などなど、不安の種は尽きることなく浮かんできていました。

 Waldo 100Kウルトラマラソン、はたしてどのような結末を迎えたのか?
 汗と涙のその先に見えたものとは?感動の?レース記録は後編でお伝えします!

(頑張ってきます!)

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