Saturday, August 10, 2013

【Gear Review】Ultimate Direction SJ Ultra Vest



 いよいよ来週末に迫ったWaldo 100Kですが、先日のHoka One One Bondi Speed事件があってからまともに走ることができず、更に追い打ちをかけるように風邪を引いてしまい、練習どころではなくなってしまったという笑えない状況に陥っています・・・。
 さて、今回は最近購入したWaldo 100K対策グッズの中で最も新しい、Ultimate Direction SJ Ultra Vestのレビューをさせて頂きたいと思います。

Ultimate Directionについて

 Ultimate Directionというブランドは、自身がウルトラランナーでもあるBryce Thatcher氏が1986年に設立した誕生したアメリカコロラド州初のハイドレーションブランドです。Bryce Thatcher氏もウルトラランナーということもあり、Ultimate Directionが作るハイドレーションパックは特にウルトラ・トレイルランナーたちに支持されてきました。ただ日本ではここ最近まで知名度が高かったわけではなく、SalomonやThe North Faceと比べるとまさに知る人ぞ知るというブランドでした。それが一気に日本人トレイルランナーの間で知れ渡るようになったのは間違いなく、Signature Series Vestの登場がきっかけでした。

UD Signature Series Vestについて

Signature Series Vestとは、UDのブランドマネージャーであり、自身がこれまたウルトラランナーであるBuzz Burrell氏が、今旬な3人のエリートランナー、Anton KrupickaScott JurekPeter Bakwiと共に作り上げたハイドレーションベストで、それぞれのベストはデザイナーである3人のランナーたちの特徴をそのまま活かして作られています。AK Vestはミニマルで最も軽量なベスト、SJ Vestは中~長距離までカバーできるベスト、PB VestはUTMBからウルトラライトハイクまで何でも来いの超長距離用のベスト、といったところでしょうか。

 今回私が購入したのはSJ Vestです。直前までAK Vestにしようかどうか悩んだのですが、今後の100マイルレースでの使用もにらんだということもあり、また一見するとバルキーな印象のSJ Vestも、荷物をマックスまで詰めなければAK Vestと同様の使い方ができるというレビューを読んだこともあり、最終的にSJ Vestに決めました。お財布に余裕があればAK Vestも欲しかったです(涙)。先日観た『In the High Country』でもトニーがカッコよくAK Vestを使いこなしているのを見てやっぱいいな~といまだに思っているのはここだけの話。

サイズについて

さて、SJ Vestですが、まず使用前に色々とチェックしてみました。

 開封したてのベスト↓。かなりコンパクトかつ軽量。私が購入したサイズはMサイズ。SJ VestのサイズはS、M、Lの3つ。UDのサイトによるとそれぞれの大きさは以下の通り。

Sizing At Chest (Unisex):
SM: 25 - 31 in / 63.5 - 78.7 cm 
MD: 31 - 38 in / 78.7 - 96.5 cm 
LG: 38 - 43 in / 96.5 - 109.2 cm



 私の胸囲は100cmくらいなので、サイズ表からはLサイズを選ぶべきなのですが、これも色々調べたところ、実際のベストはUDの表よりも大きめなので若干小さめのサイズが吉!ということでしたのでMサイズを選んだのですが、結果大正解。胸囲100cmの私ですらMサイズで若干余裕がありますので、サイズ間のボーダーライン上にいる方は、購入する際には小さいほうを選んだほうがいいと思います。もちろん実際お店で試着できるに越したことはないのですが、UD Vestが置いてあるお店が近くにある方以外はネットで購入しかないので実際の商品を試着するまでドキドキでした(笑)。

SJ Ultra Vest詳細レビュー

以下、見ていただくとお分かりのように、全体的にかなり薄い素材く、かつ通気性や通水性が良い素材で作られています。



 背面のメインコンパートメントを開けてみたところです↓。軽量コンパクトの割りにはかなり色々入ります。ただし、ご覧頂くとわかりますが、背中に密着する部分は全く防水加工されていないため、汗、水など全部通してしまいます。濡れては困るものはここには入れないか、ジップロックに入れるなどしたほうがよさそうです。ただ素材的にメインコンパートメントに入れたものは背中にそのまま当たってしまいますのであまりゴワゴワしたものや硬いものを入れてしまうと走っている時に気になってしまいますので何を入れるかについては注意が必要です。


 背面のメインコンパートメントパート2(サブコンパートメント)↓。こちらはメイン収容部分のさらに上に位置してます。容量はメインよりも少ないのですが、こちらは防水加工されているためある程度は濡れてもいい物を入れておくことができます。ただし雨が振れば防水加工されていない表面部から水がそのまま染みこんできますので気をつけてください。



 次にベストの前面部です。ボトル収容部分の下に、塩分タブレットなどを入れておくことができる防水加工のポケットが左右に1つずつあります↓。鍵などの小物も入れておくことができます。
 

 腰の部分にも左右小物入れがあります↓。携帯電話やジェル、鍵など結構入りますが、走っている時には取りづらい場所にありますので実際の使用には慣れが必要です。


 100マイル大会などで時々必須となるホイッスルもデフォルトでついてきます↓。ただし頑張って吹かないとなかなかいい音がしません(笑)。あと、これは個人差もありますが、ぶら下げて走っていと胸の部分にガシガシ当たるため、それが気になる人はボトル入れの上にあるポーチ部分に入れておくことをおすすめします。ちなみにそのポーチ部分ですが、iPhoneが問題なく入るくらいのスペースがあります。ジェルを入れておいてもいいですね。
 

 これぞUD Signature Vestシリーズの最大の特徴といってもいい、前面部にある2つあるボトルホルスターです↓。これも慣れないと走る際に気になってしかたがないです。私の場合、数マイル程度走るうちに気にならなくなりましたが、これも個人差があると思います。
 各ホルスター部分には左右にひとつずつジェルなどを入れておけるポケットがついています。ただし、結構緩い作りになっていますので、小さいものを入れておくといつの間にか無くなってたりします。私も最初のランでアミノバイタルの顆粒スティックを2本程度ここに入れていたのですが気がついたら見事に無くなっていました(涙)

ボトルホルスターにはデザイナーで名前にもなっているランナーのサインが↓。SJモデルですのでScott Jurekさんのサインがさらっとプリントされています。

 
 ボトルを取ってみて上から覗いた図↓。ちゃんと周りは防水加工されています。


 UDボトルの特徴であるキッカーバルブです↓。最初これでどうやって飲んでいいか悩みましたが、思いっきり口でバルブ部分をひっぱると下の写真ようにバルブが出てきて飲めるようになることがわかりました。コツはちぎれるんじゃないかと思うくらい噛んでひっぱることです。慣れてくるととそこまで力を入れなくても出てくるようになります。バルブが出ただけではまだ水は飲めません。水を飲むためには哺乳瓶でミルクを飲む要領で、ボトルを押しつつ、しっかり吸う必要があります。突起した状態のままでも水はこぼれませんので飲んだ後そのままにしておいてもいいのですが、なんとなく出しているのはカッコ悪いと思う場合は、バルブの横を指で押して、中に引っ込めておくとスッキリします。

 

実際にSJ Ultra Vestを使ってみて

実際に30キロほどトレイルランで使用してみた感想です。
  • 全体の作りが値段の割に安っぽい。
  • ボトルに水を満杯まで入れて走るとバウンスするのか肋骨部分にガシガシあたって結構痛い。もっと上になるように装着すればいいのかな?ただ、ある程度中身が減るとフィットしてバウンスしなくなり、痛くなくなります。
  • キッカーバルブのボトル自身、なかなか優れものですが、バウンスして痛くなるのが個人的に気になりました。解決策としてはSalomonのSoft Flask 500mlを代わりに入れるといいのではと思います。ただ現在SalomonoのSoft Flask 500mlは米国ではどのお店でも売り切れ中で購入できておらず、まだ実際にフィット感など確かめられていません・・・。
  • ボトルホルスター部分ですが、これも個体差があるのでしょうが、私のものは走っているとギシギシと音が鳴り続けて気になりました。ボトルをしっかりと固定するために固めの素材がホルスターの底と側面部に使われており、その部分から音が鳴っているのですが、どうすれば音がしなくなるのかわかりませんでした。
長距離レースを走る方はよく分かるかと思いますが、長い時間走り続けていると、エイドステーションなどでハイドレーションパックを脱いでからリザーバーを取り出して水を補給するという一連の動作はかなり面倒くさく、思った以上に大変な作業です。できればベストなりパックなりを着脱せず、そのまま補給したい!という方にこのベストはおすすめです。自分でボトルに残っている水の量が簡単にわかるのも助かります。背中に背負うタイプのハイドレーションパックですと、まだ水入ってるだろうと思ってて飲もうとした時に水が無かった時の絶望感はハンパないです・・・。ただし、上述した通り、重量のあるボトルが2本胸の前にあるということに慣れないと使いづらく思う方もいるでしょう。2本それぞれを交互に飲んでバランスを取る必要もあります。背中に水を背負うのとは全然違う感覚ですので、それが合わない人はハイドレーションパックをおすすめします。私も長い間、UltrAspireのサージを愛用していますが、今後も用途に応じてこのSJ Vestとサージを使い分けていこうと思います。

最後に

まだ数回しか使っていませんのでまた使用していく中で気がついたことがあったら追記していきます。というわけで結局いまだにWaldo 100で使用するハイドレーションパックが決められていません・・・。皆さんもご意見やおすすめなどありましたら是非教えてください!

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