Tuesday, August 13, 2013

【Gear Review】Hoka One One Stinson Evo


はじめに

 先日、Hoka One One Bondi Speedを2回ほど試して、結果両足に血豆などができてしまったことがまだ記憶に新しいですが、やはり今回100キロの山道を走るにあたってHoka One Oneを試してみたいというのと、デモランで履いたほうの、Stinson Evoをちゃんと試してみたいという気持ちがあり、Bondi Speedを返品して、Stinson Evoを購入しなおすことにしました。

 Stimson Evo自体は先週の半ばには届いていたのですが、仕事も忙しく試す機会がなかなか訪れませんでした。ようやく土曜日に30キロほどRock Creek Parkというトレイルで試すことができました。以下、簡単ですがレビューです。

Hoka One One Stinson Evoについて

 Hoka One Oneはご存知の通り、近年トレラン業界で脚光を浴びてきているブランドです。登場した当初こそ、ケーキか!とまで言われた厚底スタイルのみが注目を集めたイロモノ扱いでしたが、実際にHoka One Oneを履いたランナーたちからの高い評価が徐々に広まっていき、今では米国のトレイルレースで相当数のランナーがHoka One Oneを選ぶまでに浸透してきました。

 Hoka One Oneにはロード用のBondi BBondi Speed、トレイル用に今回のStinson EvoMafateがあります。また最近モデルも増えてきていますので今後はさらに選択肢が広がっていくと思います。このクッション性を重視した低ドロップのシューズは2013、2014年のトレランシューズの流行のようで、Hoka One Oneに留まらず、各メーカーがこぞって厚底、高クッションシューズを発表しています。厚底ではありながらも各メーカーともに、0〜6mmドロップのナチュラルランニングの機能を保持していますので、単純にミニマルシューズ流行の反動というわけではなさそうです。

 少し話がそれましたが、このStinson EvoはHoka One Oneのラインナップではパフォーマンスタイプのトレイルシューズとなっており、重さも10.4 oz(約294g)と見た目にそぐわずかなりの軽量です。もう一つのトレイルシューズであるMafateはさらにしっかりした作りとなっており、荒れた路面で威力を発揮すると思います(私は試したことがないのでわかりません)。ただその分、重さもStinson Evoより若干重い、11.3 oz(約320g)となっています。

 ロード用とトレイル用というカテゴライズはされていますが、ある程度路面が安定しているトレイルでは、より軽い(9.5 oz (約270g))ロード用のBondi Speedをレースで使用している方も結構います。2013年UTMF優勝の原良和さんもその一人ですが、私の住んでいるヴァージニア州が生んだウルトラランナー、Michael WardianさんもThe North Faceのプロランナーという立場があるため大きな声では言えないということでしたが、個人的にはBondi Bでトレイルを走るのが好きだと先日おっしゃっていました。

特徴

Hoka One Oneの特徴である厚底はこのStinson Evoでもそのまま活かされています。Bondi Speedとの比べてみて気づいた点として、土踏まずの下にあたるアウトソールがBondi Speedのほうが柔らかい印象で、Stinson Evoのほうが固めでしっかいりとした感触でした。

【横から見たStinson Evo。厚底アウトソールのインパクトがすごいです。】

【Stinson Evoのアウトソール。白い部分が↓のBondi Speedよりもしっかりとしている。】

【Bondi Speedのアウトソール。全体がつながっており、流れるような見た目。柔らかく走りやすい印象でした。】

レーシングシステムについて 

レーシングはSalomonなどでもお馴染みのクイックレーシングシステムです。トラディショナルな紐に慣れている方には少し慣れが必要です。いくつかのレビューで走っている途中でレースが緩むという現象が起こるということでしたが、確かに今回30キロ走ってみたところ、何度か途中で締め直すことになりました。私は特に気になりませんでしたが、気になる方は同封されている通常の紐のレースに付け替えることをおすすめします。


インソールについて

 Stinson Evoのインソールはデフォルトで、以下の写真のようなヒールカップがあるしっかりしたインソールが入っています。よりナチュラルな感覚を求める人向けには、フラットなインソールも入っていますので好みで付け替えてください。私はまだフラットなほうのインソールは試していませんが、何度か入れ替えてみて自分に合うインソールを選んでください。

【デフォルトで装着されているインソール。しっかりグリップできるようになっているのと、ヒールカップが特徴。】




【同梱されているフラットなインソール。表も裏もご覧の通りペラペラ。】

見た目以上に感じる重さ

シューズ自体は見た目の大きさから想像するよりはかなり軽いのですが、ミニマルなシューズに慣れている方の場合、そうはいっても若干重く感じると思います。クッション性を得るためのトレードオフなのでしょうがないですが、その割には頑張って軽く作ってくれていると思います。数字上の重さというよりも、見た目からくる印象で重く感じてしまうところもあると思いますので、何度か走ることで慣れていくしかありません。ただ100キロという距離を走った場合にどうなるかはまだわかりません。それについてはWaldo 100Kレース後に追記したいと思います。

Bondi SpeedとStinson Evoの比較

Bondi Speedとの比較ですが、トレイルを走っている範囲では大きな違いは正直感じませんでした。Bondi SpeedのほうがStinson Evoよりも若干軽いということと、Bondi Speedのほうが着地、ローリングの際の柔らかさがより感じられた程度で、上り坂や下り坂でのグリップなどは大差ないと思いました。私個人的にはアウトソールが固めのStinson Evoのほうが足にしっくりきました。雨が降ってドロドロのトレイルではSalomon Speed Cross 3が一番だと思っていますが、そのようなトレイル状況でない場合はHoka One Oneで十分だと思います。

実際に走ってみての感想

 今回は前回のBondi Speedのハズレシューズ(たまたま購入した靴が良くなかっただけでBondi Speed自体はいい靴だと思います・・・)とは異なり、血豆もできず、走っていてどこもひっかかる感じもなく、最初から足に馴染んで最後まで走れました。30キロのトレイル+ロードを走ってみて、Bondiの時と同様、その走りやすさには感動すら覚えました。急な下りもガレ場も何でも来い、という感じです。ただ、その安心感から今まで走ってきた走法などを忘れてそのまま突っ込んでしまいがちになりそうですが、それは危険です。いくら走りやすくなったと言っても、ミニマルシューズなどで走ってるのと同じように、丁寧に走ることが何よりも重要です。クッションにたよりすぎて走り方を変えたり、下りでおもいっきり踏み込んでしまうと、ヒザや股関節などを結局痛めてしまうことになり、今までせっかく丁寧に調整してきたものが台なしになってしまうことになります。

 また、一歩一歩の着地が柔らかくなったからといっても、30キロなり50キロなりの距離を踏めば当たり前ですが足はかなり疲れます。Hoka One Oneだからケガもせず、足も疲れないというのは幻想でしかありません。Hoka One Oneは、裸足で走っている感覚で丁寧に走ってこそその効力を発揮するのだと思います。残念な事実ですがやはり万能な道具なんて存在しないので、道具に頼りすぎず上手く付き合うことが重要です。

 ちなみにWaldo 100KではこのStinson Evoと控えとしてMontrail Bajadaを持って行こうと思います。さて、どうなることか・・・。また100キロ走った後での感想については後日ブログにアップしようと思います。

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