Monday, April 7, 2014

【前編】UTMF開催直前ワークショップレポート@THE NORTH FACE PRESS ROOM


はじめに

先日のアートスポーツさんで行われた鏑木毅さんによるUTMF/STY対策トークイベント(前編/後編)に続き、4月4日(金)の18時~19時半にThe North Face原宿店さんで行われた三浦務さんによる対策ワークショップに参加してきました。

 本ワークショップの開催通知に記載されていた概要は以下の通りです。

4月25日~27日に開催される距離168km、累積標高9,500m、「ULTRA TRAIL Mt.FUJI 距離88km、累積標高4,700m、「SHIZUOKA TO YAMANASHI」の ワークショップを開催いたします。大会の実行委員会事務局でもあるスタッフがコースや競技規則など、100マイルなど海外レースの経験豊富なショップスタッフがウェアリングやレース対策などの説明を行います。今年出場される方は大会直前の最終確認として、次回以降出場を考えている方は 参考に、是非お気軽にご参加ください。    
内 容 :UTMF/STY の競技規則・コース説明・レース対策etc… 

 開始時間が平日18時からとサラリーマンとしてはかなり厳しい時間でしたが、残業中の同僚の目を何とかかいくぐってオフィスから脱出し、原宿に向かうことができました。The North FaceのPress Roomで開催された今回のワークショップは私を入れて15名くらいの参加者がいました。ほとんどがUTMFに出場か、来年以降のチャレンジを考えている人で、STYに参加する人は2、3名ほどでした。

 今回のワークショップは、ゴールドウインの三浦務さんを講師として、主にUTMF2014の競技規則・注意事項について説明することが主な内容です。当日はUTMFウェブサイトに記載されている競技規則・注意事項」からの抜粋が配布され、それを見ながらの解説でした。以下、ワークショップの要点をまとめますが、上記UTMFの「競技規則・注意事項」を見ながらお読みいただければと思います。時間の関係上全ての項目をひとつずつについて説明があったわけではなく、重要なポイントのみ抜き出しての解説となっていました。

 前回の鏑木さんのトークイベント同様、一度に書くと長くなるので今回はワークショップの前半部分、「選手の責任」と「自然保護に関するルール」「開催時期変更の理由、気温変化への対応」についてまとめます!

1.選手の責任

事務局としては必携装備品よりもここが一番強調したいところです。トレイルランニングはまだ日本では新しいスポーツであり、参加する選手自身もまだどういったスポーツかを正確に理解できていないのが現状です。ここ数年の間で、ロードからトレイルランに入る人が多くなったこと自体は大歓迎なのですが、トレイルランは登山と同じアウトドアスポーツであり、自分の責任で走る・参加することが重要です。これが自覚できていれば、究極的には装備のレギュレーションを事務局が設定しなくても問題はなくなると思います。

 「1.選手の責任」の中には5項目記載がされていますが、特にしっかりと理解してもらいたいのは以下の2項目です。内容としては上述したことと重なります。

  2.この種のレースで起こりうる問題に対して、自ら対処できる能力を有し、自己責任であることを十分理解していること。 
  3.山岳地で予測されるトラブルや天候の悪化など(低温、強風、雨や雪)に、他に頼ることなく自ら対処できること。

2.自然保護に関するルール 

ここには8つのルールが書かれていますが、特に気をつけないといけないのは以下の点です。
  1.ストックの使用をUTMF、STYとも全コースにおいて禁止します。
これは昨年の大会実施後、環境省の調査で、ストック使用禁止エリアでもストックの使用跡が何か所も発見され、指摘を受けたということもありますし、何より富士山が世界遺産に登録され、その環境を守るための変更です。
 

(番外)開催時期変更の理由、気温変化への対応


 1回目の大会は5月18日(金)~20日(日)で行われましたが、その後、日本野鳥の会からその時期は野鳥の繁殖期にあたっており、大会の結果少なからず繁殖に影響が出たということで、できれば5月、6月を避けてほしいという要請がありました。そのため、2013年の第2回大会から約1か月前倒しして4月下旬に大会を開催することになりました。今回は1回目とほぼ同じコースですが、開催時期が早まったため、第1回目の大会よりも寒くなっていることに注意してください。特に夜は場所によっては氷点下となります

 気温の変化については、以下のUTMFのコース数か所の4月の気象データ(気象庁気象統計情報より)をご覧いただくとよく分かると思います。

<大会開催日の平年値(過去30年間の平均)>
富士市(標高66m)
最高気温 20.8℃ 最低気温 11.1℃
山中湖(標高984m)
最高気温 16.4℃ 最低気温 2.8℃

<2013年大会時>
富士市(標高66m)
最高気温 4/26 午後2時 23.2℃ 最低気温 4/27 午前4時 8.2℃

雪見岳(標高1605m)
(天子山地)
推定最低気温 4/27 午前4時 -1℃
山中湖(標高984m)
最高気温 4/26 正午 18.5℃ 最低気温 4/27 午前1時 1.5℃
杓子山(標高1597m)
推定最低気温 4/27 午前1時-2.2℃

※2013年UTMF完走者724人、200位以降の選手が杓子山を夜間通過STYは全員夜間通過

 昨年の大会では最も標高が高い杓子山(A1~A2)で岩場が凍結していた。上記の気温の変化を見てもらうとわかる通り、UTMFの特徴は、1日の間に初夏と真冬がいっぺんに来るということ

 UTMF・STY共に1日で一番暖かい時間にスタートするので、軽装でもいけるように感じてしまうが、その後どんどん寒くなり辛くなります。UTMFでは、寒さという点では、1日目の夜はさほど問題なく越えられますが、問題は2晩目です。かなり厳しい夜になると思っていてください。上位200番目くらいのランナーであれば約36時間でゴールすることになりますので、土曜の朝3時~4時にフィニッシュすることになりますが、それ以降のランナーは2晩目も夜通し走ることになります。ほとんどのランナーは2晩目は歩いている時間が多くなり、また、立ち止まることも増えます。気温がどんどん下がる中、しっかりとした防寒具を用意して寒さ対策をしておかないと、低体温症などにかかってしまい大変危険な状況になってしまいます。サポートクルーがいない方の場合は、「A5 富士山こどもの国」のドロップバッグに2晩目のための防寒具を預けるのも良いと思います。繰り返しになりますが、「UTMFは後半の夜(2晩目)が厳しい!」ということを肝に銘じて準備してくださいね、ということでした。

 以上、必携装備品解説前までの三浦さんのアドバイスでした。

 次回について

次回は今回のワークショップのメインとも言える「9. 装備について-必携品(装備として必ず携行するもの)」についての解説部分です。特に新しい情報があるというわけではありませんが、UTMF開催直前の今、必携装備品について三浦さんの解説とともに最終確認できればと思います。

それでは!

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