Tuesday, March 25, 2014

【雑記】六甲縦走キャノンボール大会に向けて


 日本復帰後の初レースであった板橋Cityマラソンを無事走り終え、ようやくどこか自分の中で一区切りついた気がした。日本に帰ってきてから引越しやら仕事での新しい業務、そして第二子が生まれたこともあり、日常生活を日常にすることに精一杯で、いつの間にか走ることに割ける時間がほとんど無くなった生活になってしまっていた。アメリカでの4年半で走ることは生きることと同義に近くなっていた自分にとってそれは生きてるけど死んでるような感覚だった。もちろん子どもや家族、友人たちとの時間が一番だけど、人はご飯を食べるだけではダメで、寝ることも生きていく上では必要なように、そういった時間と走ることは自分にとってはどちらも大切で、どちらも生きて行く上で欠かせないものだった。徐々に空気が薄められていっているような、水の中でもがいているような息苦しさの中でどうにか空気を求めて見つけた解決策が、蓋を開けてみれば何ともない、早朝の時間だった。この時間は家族にも、仕事にも影響をそこまで与えることなく自分の時間として使える1日の中で唯一の時間帯。毎日ちょっと睡眠時間が少なくなったって、トータルで見ればオールオッケーだろうと始めた早朝ランが軋み始めていた自分の歯車の潤滑油となって回してくれた。まだ薄暗い中、新聞配達のバイクのお兄さんか、公園で散歩か太極拳をしているおじいちゃんおばあちゃん以外は数人のランナーしかいない、そんな東京の街を走ることでようやく日本での生活のバランスが取れ始めた。数年前、いや数ヶ月前の自分からは考えられない朝型へのシフト。人間必要に追われれば案外頑張れるな、と、少しずつ朝トレの習慣がついてきた矢先のレースが板橋Cityマラソンだった。タイム的にはベストではなかったけど、それなりに走ることができたことは今の自分にとっては十分すぎる収穫だった。

 そしていよいよRoad to UTMF第二章である、六甲縦走キャノンボール大会が今週末に神戸で開催される。そもそもまだトレラングッズ自体全部引越しのダンボールから荷解き出来ていない状況で大丈夫かという不安も若干あるけど今までのようにまずはスタートラインに立つことが重要なんだ。とはいえ準備や下調べなしに出ることがいいというわけではないし、1ヶ月後のUTMFも見越していかなければということもあるので、ここはおとなしくキャノンボールのウェブサイトに記載されている必携品をチェックすることにした。

 [必需品] ライト、携帯食、水分、防寒具、フル充電の携帯電話、地図、非常時のお金、レインウエアー、保険証、コップ  
六甲縦走キャノンボール大会ウェブサイトより

 うん。ほとんど引越しのダンボールを漁ればなんとか見つけられそう。だけどコップやレインウェアーは調達しないと。コップはアメリカで何度も使えるものが売ってたので買っとけばよかったとちょっと後悔。とりあえず明日御徒町のアートスポーツに行って物色してみることに。(全くの蛇足だけど明日鏑木毅さんのトークショーがアートスポーツで開催されるらしい!すごい偶然!)

 ここで今さらだけど、六甲縦走キャノンボール大会について簡単に紹介します。以下がウェブサイトに記載されているルール。自分はある意味この文章を読んで参加を決めたといっても過言ではない名文。

<ルール> エンジン以外何でもあり。人力、MTB、馬、ミニチュアポニー・ウィングスーツ、グライダー、スケボーなどなど、とにかく六甲縦走路を一番早くゴールした者が勝者です。 死なない。 自己責任のうえ参加し、事前にリスクを回避する能力があること。 怪我や事故等が発生しても自ら対処してください。 道に迷いそうな人は必ず地図を持参する事。 あまり文句を言わない。 ゴールは18時30分で閉鎖致します。 各種目のスタートは2部制で行います。どちらを選択して頂いても構いません。
六甲縦走キャノンボール大会ウェブサイトより

 適当と言えば適当な、そんなルール(なのか?)で行う壮大な草レースもとい大人の大遠足大会。コースマークもエイドステーションもなく100キロ以上の山道を走るというのはアメリカ広しと言えどもさすがになかった。ただ、UTMFを1か月後に控えた今、一度はこれくらい無茶なことに挑戦しておくことが、UTMFという未だ登ったことの無い巨大な壁に立ち向かおうとしている自分には必要な気がする。


 なんて思いつつ、さらに下に読み進んでいくと「マナー&注意事項」の中に衝撃の注意事項が・・・。

「万が一、ポリスに捕まってもキャノンボールランの名前は出さないように願います。」

 一体どんなレースなんだ、キャノンボールって・・・。


 この大会、距離やソロ、ペア、チーム、キャンプなど様々なカテゴリーに分けられていますが、自分が参加するのは一応最もドMと言われている「POWER」の部。どんな種目かというと↓。

■POWER
日時:3月29日(土)~30日(日)1部 21時スタート、2部 22時スタート
受付:1部 19時~20時30分、2部 20時~21時30分(須磨浦公園)
距離:112km
スタート&フィニッシュ:須磨浦公園~宝塚湯本台広場~須磨浦公園
参加費:3,500円(保険料含)

 このご時世、オフィシャルなエイドがなかったとしても3,500円という圧倒的とも言える参加費の安さはアメリカのローカルトレイルレースを彷彿とさせるような、素晴らしい価格設定だと思う。ただし、東京から参加する自分にとっては結局新幹線代などでそれなりに経費はかかってしまうという当たり前すぎる現実に気づいたのはポチッた後だったことはここだけの話・・・。
 ちなみに「POWER」の部のエントリーリストはこちらから。233人がエントリーしているようです。

 さて、「POWER」以外で注目なカテゴリーは何と言っても「GAY」!どんな種目かというと↓。

■GAY(男ペア)
日時: 3月29日(土)~30日(日)スタートは勝手にやってください。
受付:なし 
距離:168km 
スタート&フィニッシュ:宝塚湯本台広場~須磨浦公園~宝塚湯本台広場~須磨浦公園
参加費:7,000円(保険料含)

 7,000 円の参加費取るのに、「スタートは適当にやってください」やら「受付:なし」という清々しいまでの放置プレーっぷり。何気に距離は最長でUTMFとほぼ互角。こんなカテゴリー、誰も参加しないだろ(笑)と思い、エントリーリスト見てみたら・・・

いました。一組(笑)。

 世の中はまだまだ広い。狭い日本だってとことん広い。そう感じさせてくれて「GAY」カテゴリーでした。「POWER」程度でビビっている自分はこの世界ではやはりまだまだ甘ちゃんすぎると再認識させられました。

 ということで、日本に戻って徐々にランのほうもエンジンがかかってきました。今年の予定はこのキャノンボール後は、ハセツネ30KUTMFサロマ湖100Kと続いていきます。まだまだ行きます。日本でも。Run Forward。

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